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2019.03.29 取組紹介 

【取材レポート】株式会社高知大丸

高知大丸は、J.フロント リテイリング百貨店事業のグループ企業で、高知県内唯一の百貨店です。インターネット販売やインバウンド需要の増加等、全国的には百貨店の事業環境が変化する中、高知大丸では外部環境変化(気候変動、法規制の強化等)や内部環境変化(人手不足、ICТ技術の発展等)に対応し、時代の変化に即応した高質な商品・サービスによる「お客様の期待を超えるご満足の実現」を目指しています。

同社グループは、ステークホルダー4,250名へのアンケートや、サステナビリティに関する国際的なガイドライン、ISO26000、SRI(社会的責任投資)、SDGs(持続可能な開発目標)等の情報から、重要課題(マテリアリティ)5項目を選択し、事業活動に取り組んでいます。この5項目とは、「低炭素社会への貢献・サプライチェーン全体のマネジメント・地域社会との共生・ダイバーシティの推進・ワークライフバランスの実現」です。
 
今回は、特に環境、人権や従業員の健康増進まで踏み込んだ活動としての同社のESG(環境・社会・統治)への取り組みについて伺いました。百貨店は、取り扱う商品の品揃え、晴れやかな未来演出など施設・設備が大規模であることから、エネルギー使用や廃棄物の発生、飲食店や食品売場での食品ロスなど環境影響がある中、従業員による創意工夫で、次のような「環境配慮」の取り組みがなされています。
 
【省エネ対策】
・空調システムへのガス(GHP)チラー導入による、効率的なエネルギーの使用
・照明のLED化を推進
 
【廃棄物対策】
・イントラネットの活用やコピー用紙の両面使用によるペーパーレスの推進
・百貨店統一ハンガーリサイクルシステムの導入による、衣類販売時に使用するハンガーの廃棄量抑制
・簡易包装の推進
 
【食品ロスの現状】
・飲食店や生鮮食品フロアから出る食品等廃棄物の削減には、近隣に堆肥化施設がないことから、現在はサーマルリサイクルを実施
・閉店間際においても、可能な限りお客様のニーズに合わせた商品量の確保と、廃棄が発生しないための商品管理の実施
 
【リサイクル・リフォーム推進】
・お客様にとって不要となった洋服や靴、布団などを、リサイクルできるよう「ひきとりキャンペーン」を実施(1万円以上の買い物1点につき1,000円分の金券をお渡し)。毎年、利用点数は増えており、地域のリサイクル循環に貢献している。
・オンワード樫山の「オンワード・グリーン・キャンペーン」を開催し、店舗で回収した衣料を固形燃料として活用する他、一部の衣料は毛布と軍手にリニューアル
・時代と共に流行が変化する宝石は、2か月に1度リメイクの取扱いを実施
・衣料品においてもリメイクニーズが増加しており、他社で購入したものについても取り扱いを検討中
 
【地域との繋がりコーディネート】
・地域社会との共生方針に基づき、地域との繋がりをつくる担当を配置し、部門にとらわれないさまざまな取り組みを推進
・2018年10月に開催されたイベント「ディスカバリー高知」では、高知大学の教員や学生が商品開発に参画したスイーツやワインの他に、デニム・土佐和紙等の企画販売を実施
・2018年11月には、店舗をスタート地点として、約6㎞のウォーキングとクイズで高知市中心街を楽しむイベント「高知歩き愛(め)です」を実施
 
この他にも、サプライチェーンを含めた社員(取引先従業員を含む)への教育や従業員それぞれのマニュアル整備など、デパートならではの細やかな教育・研修体制を進めることにより、お客様に満足いただける仕事の品質確保に努めています。
 
普段何気なく買物をしている地域の百貨店ですが、いろいろとお話を伺うと、地球環境の保全やお客様満足の向上など、さまざまな地域課題の解決に貢献しようとしていることが分かりました。企業のホームページやチラシ等で情報を知り、「賢い選択」をすることが、持続可能な環境や社会、地域のくらしにつながることをより強く認識する機会となりました。


【組織・団体情報】
株式会社高知大丸
所在地:高知県高知市
HPアドレス https://www.kochi-daimaru.co.jp

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